専門職学位課程

設置の趣旨

高度教職実践専攻(教職大学院)とは

 専門職大学院制度の中に、教員養成の専門職大学院として創設されたのが教職大学院です。
 近年、教員養成の分野において、より高度な専門性と豊かな人間性?社会性を備えた力量ある教員が求められています。
 この高度教職実践専攻では、現職教員と学部卒業生等を対象に、本学が持つ充実した教科等の指導力を基盤として優れた専門的職業能力を備えた教員を養成します。

基本理念

 本教職大学院は、理論と実践の往還による優れた教育の創出を目指してきた修士課程の歴史と、2001年3月から始まった宮城県教育委員会、仙台市教育委員会との組織的な連携活動の蓄積を礎石として、2008年4月に設置されました。
 教職としての高度な専門性を全面に掲げながら、それが各分野の深い学問的知識?能力の育成によって支えられるという形で、両者を統一的に追及することを目指した教育を実施します。

目的

専ら教員の養成及び研修のための教育を行います。

  • 優れた専門的職業能力を備えた人材の養成
  • 学術専門性と教育実践力を備え、スクールリーダーとなり得る人材の養成
  • 広域で中核的?指導的役割を果たし得る力量あるスクールリーダーの育成

特色

  • 専門スタッフの充実により、学校における課題解決の研究に加え、各教科に関する研究の深化が可能です。
  • 実習の機会が充実しており、より実践的な研究が可能です。
  • 現職教員学生と学部卒業生(ストレートマスター)の学び合いにより、互いに刺激し合える環境があります。

修了要件

2年以上在学し、所定の専攻科目を46単位以上修得することを要件としています。

【内訳】

  • 専門高度化基盤科目(24単位)
  • 専門高度化探求科目(8単位)
  • 専門高度化深化科目(14単位)

学位

専門職学位課程を修了した者には、「教職修士(専門職)」の学位が授与されます。

教員免許状の取得

入学時に所有していた幼稚園?小学校?中学校?高等学校の教育職員一種免許状に対応した専修免許状を取得することができます。

カリキュラム

カリキュラムの特徴

  • カリキュラムは、3つの科目群「専門高度化基盤科目」「専門高度化探求科目」「専門高度化深化科目」で構成します。
  • それぞれの院生が入学時に設定する「実践研究テーマ」の探究を、3つの履修プログラム(教科探究プログラム、特別支援?子ども支援プログラム、学校課題解決マネジメントプログラム)で対応。「専門高度化深化科目」は、院生の探究テーマに応じてクラス分けを行います。
  • 理論の学修では、「専門高度化基盤科目」の教職共通5領域の学修を基盤に、その上に「専門高度化探究科目(選択科目)」において、3つの履修プログラムに対応した特色ある授業科目を履修します。
  • 実践の学修では、「専門高度化基盤科目」と「専門高度化深化科目」の実習系科目を系統的?発展的に履修します。
  • そして「理論と実践の往還」の実質化、その架け橋となる融合系科目において、学生の一貫した探究テーマに基づきながら「把握」「適応」「分析」「開発」の各学習過程を通して、学修を発展的に積み重ねていき、実践研究論文の作成へとつなげていきます。
  • 院生が自己の中で「理論と実践の融合」を実現化させていくことを「専門性の深化」ととらえ、最終的に高度専門職業人としての教師の専門性の深化(高度化)を実現していきます。

履修スケジュール?モデル等

学校における実習

  • 1年次に「学校課題探究実習Ⅰ」「学校課題探究実習II」「学校課題解決実習」を履修し、2年次に「臨床教育開発実習」を履修します。
  • 理論系の諸授業科目との連動を常に意識しながら、「把握」?「適応」?「分析」?「開発」の一貫した学習過程により、理論の深化と実践の高度化を図ります。

指導体制

 本学教職大学院では、一人の院生に対して、院生各自の探究テーマに応じて、教職、教科?領域における指導方法、各教科の教材解釈や開発等の研究、学校現場での豊富な指導経験や学校管理職としての経験など、高度な専門的知識?知見を持つ複数の教員から成る「教員ユニット」を編成して、ティームティーチングによる指導を行います。
 院生は、「教員ユニット」の指導?支援のもと、自身の探究テーマに基づきながら、「把握」「適応」「分析」「開発」の学習過程を通して、学修を発展的に積み重ねていくことができます。

「教員ユニット制」

 「教員ユニット」とは、主たる指導教員(ユニット長)とその他の指導教員で構成する3~4人程度の指導組織です。 例えば、院生の探究テーマが教科に関する領域であれば、当該教科の教科教育担当教員がユニット長となって研究指導を行い、その教科 に関連の深い分野はもちろん、側面的な学修の積み重ねについても、様々な分野の専門的知見を有する他の専任教員や実務家教員、授業 担当兼担教員が教員ユニットに加わり、ユニット長と連携して院生の研究を支援します。

 これにより、院生は、自身の探究テーマに、多面的多角的な指導?助言を受けながら、学修を積み重ねていくことができます。

連携協力体制

本学では、下記の大学様と「入学者選抜(選考)試験における特別選抜(選考)協定書」等を取り交わしています。

  • 尚絅学院大学
  • 宮城学院女子大学
  • 仙台白百合女子大学
  • 石巻専修大学
  • 東北文教大学
  • 秋田公立美術大学(覚書)
  • 仙台大学
  • 盛岡大学

 これら協定は、それぞれの大学から、教職への強い意志を有する優秀な学生を本学教職大学院に受け入れ、高度な実践的指導力を備えた即戦力となる教員を養成し、各地域へ還元することを目的としたものです。
 この協定を礎に、東北地方の各地域において将来のスクールリーダーとなる教員を育成し、地域や社会に貢献することを目指してまいります。